復活祭(イースター)前の46日間を受難節(レント、四旬節)といいます。ただし、宗派によっては復活祭直前の金・土曜日を受難節に含めないことがあり、この場合は若干短くなります。
受難節は、復活祭を迎える前の準備と悔い改めの期間に位置づけられます。「四旬節」の別名のとおり元来は40日間で、復活祭の6週間前の日曜日からはじまり(最後の金・土曜日は含めない)、断食などもやっていたそうですが、その後「日曜日は断食とかせんでもええやろ」と、4回の日曜日を受難節からはずしたため、受難節のスタートは4日さかのぼった水曜日からになりました(「
灰の水曜日」)。
「レント」という呼び名は音楽用語の「遅く」を連想させますが、それとは無関係で、『岩波キリスト教辞典』によると、「日が長くなる季節(=春)を意味するlengtenが変化した語とされる」のだそうです。なお、キリストの受難は英語でthe
Passion(定冠詞をつけ、大文字で始める)といいます。写真はメル=ギブソン主演の映画のポスター。
受難節最後の日曜日は「
シュロの主日」や「枝の主日」などと呼ばれ、宗派によっては特別な行事を行います。